
『スイッチ 悪意の実験』は、潮谷験による第63回メフィスト賞受賞のデビュー作。
「純粋な悪(理由のない悪)」は存在するのかという哲学的なテーマを、心理学や宗教的なアプローチを交えながら描く、思考実験的な要素の強いミステリー小説です。
この記事では、『スイッチ 悪意の実験』のあらすじや見どころ、作品の魅力をネタバレなしで紹介します。
『スイッチ 悪意の実験』基本情報
『スイッチ 悪意の実験』は、潮谷験によるミステリー小説です。
第63回メフィスト賞を受賞したデビュー作で、2021年に講談社から刊行されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | スイッチ 悪意の実験 |
| 著者 | 潮谷験 |
| 出版社 | 講談社 |
| 受賞 | 第63回メフィスト賞 |
| 単行本発売日 | 2021年4月14日 |
| 文庫発売日 | 2022年9月15日 |
著者・潮谷験について
潮谷験(しおたに けん)は、1978年京都府生まれの小説家です。
2021年に『スイッチ 悪意の実験』で第63回メフィスト賞を受賞しデビューしました。
その後、『時空犯』 『あらゆる薔薇のために』 『伯爵と三つの棺』 『名探偵再び』などを発表しています。
👇メフィスト賞受賞のおすすめ作品を、以下の記事で紹介しています⇩
『スイッチ 悪意の実験』あらすじ
大学生たちに、有名心理コンサルタントから高額報酬の「心理実験アルバイト」が持ちかけられます。
参加者のスマートフォンにインストールされたのは、ある一家を破滅させるスイッチのアプリ。
しかし、押しても押さなくても報酬は変わらない。
参加者には1か月後に100万円が支払われるため、スイッチを押すメリットは一切ありません。
誰も押さないはずだった実験。
ところが、ある日、本当にスイッチが押されてしまいます。
誰が押したのか。 なぜ押したのか。 そして、人間に「純粋な悪意」は存在するのか。
※Audibleを始める前に「自分に合うか」確認したい方は、以下の活用ガイドをご覧ください。使い分けや注意点を整理しています⇩
『スイッチ 悪意の実験』の魅力
デスゲーム風の設定と心理ミステリーの融合
「押せば、ある家族を破滅させるスイッチ」という衝撃的な設定から始まる本作。
一見するとデスゲームやサスペンスを思わせますが、物語の本質は「誰が、なぜスイッチを押したのか」を追うミステリーにあります。
実験を主導する有名心理コンサルタントの思惑も絡み合い、緊張感のある駆け引きが繰り広げられます。
「純粋な悪意」を巡る思考実験
本作のテーマとなるのが、「純粋な悪意は存在するのか」という問いです。
人が他者を害するときには、嫉妬や怨恨など何らかの動機があるのが一般的です。
しかし本作では、「何のメリットも理由もないのに、ただ他者を不幸にするためだけに動く悪意」が存在するのかという思考実験が展開されます。
哲学・宗教観の織り交ぜ
物語が進むにつれて、心理学の理論や宗教的な救済論にも触れられます。
犯人探しだけにとどまらず、人間の倫理観や善悪の境界について考えさせられる点も本作の魅力です。
主人公の再生の物語
本作はミステリーであると同時に、主人公・小雪の成長を描く物語でもあります。
過去の出来事から内面に危うさを抱え、選択をコインに頼っていた小雪。
実験と事件を通じて自分自身と向き合い、少しずつ変化していく姿にも注目です。
『スイッチ 悪意の実験』は、こんな人におすすめ
- 発想が面白いミステリーを読みたい人
- 人間心理を描いた作品が好きな人
- 「もしも」の設定から始まる物語に惹かれる人
- 犯人当てだけではないミステリーを楽しみたい人
- 読後に考察したくなる作品を探している人
気軽に読めるエンタメ性と、読後に考え込む要素の両方を求める人にも向いています。
まとめ
『スイッチ 悪意の実験』は、謎を追うなかで、人間の悪意や心理について考えさせられる思考実験型ミステリーです。
設定の面白さと心理的なテーマが融合した作品を探しているなら、ぜひ手に取ってみてください。
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