
「こんな設定のミステリー、読んだことがない!」
ミステリー小説には、事件やトリックだけでなく、舞台や世界観、登場人物に課せられたルールそのものが面白い作品があります。
「誰か一人を殺さなければ脱出できない」「人類滅亡を目前にして殺人事件が起こる」「10人産めば1人殺してもいい」など、設定を知っただけで「どういうこと?」と続きを読みたくなる作品も少なくありません。
今回は、そんな設定の面白さに注目して選んだミステリー小説10作品を紹介します。
特殊設定、極限状況、独特のルールなど、作品ごとに異なる面白さを楽しめるラインナップです。
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設定が面白いミステリー小説10選
舞台や世界観、物語の中に存在する独自のルールなど、設定そのものが魅力的なミステリーを厳選しました。
「その設定で一体どんな事件が起こるの?」と、思わず読みたくなる作品を紹介します。
『楽園』/夕木春央
「ここから出るには、6人のうち誰か一人を殺さなければならない」
【設定・あらすじ】
亡き両親から不動産を譲り受けた康之は、恋人の沙織とともに群馬の山奥にある「楽園」と呼ばれる場所を訪れる。
そこには、切り立った岩壁に囲まれた特殊な環境の中で暮らす6人の男女がいた。
しかし、康之たちはそこで捕らえられ、「6人のうち誰か一人を殺さなければ脱出できない」という条件を突きつけられる。
【こんな人におすすめ】
- 「誰かを犠牲にしなければ助からない」という極限設定に惹かれる
- 登場人物たちの選択や心理をじっくり楽しみたい
- クローズド・サークルの緊張感が好き
- 『方舟』『十戒』のようなルールのあるミステリーを読みたい
👇『楽園』は、以下の記事で詳しく紹介・解説をしています⇩
『此の世の果ての殺人』/荒木あかね
「あと数カ月で世界が滅びる。それでも、殺人事件は起こる」
【設定・あらすじ】
小惑星の衝突によって、人類滅亡が迫る世界。
社会の機能が失われ、人々が次々と日本を離れていく中、大学生の夕木小春は自動車教習所で教習を続けていた。
そんなある日、教習車の中で女性の死体を発見する。
「もうすぐ世界が終わるのに、なぜ人を殺すのか」という疑問から、異色の殺人事件を追うことになる。
【こんな人におすすめ】
- 終末世界を舞台にしたミステリーを読みたい
- 「人類滅亡直前」という非日常的な舞台設定に惹かれる
- 犯人探しだけでなく、事件の背景にある人間ドラマも読みたい
- ミステリーと終末小説を一緒に楽しみたい
👇『此の世の果ての殺人』は、以下の記事で徹底解説しています⇩
『スイッチ 悪意の実験』/潮谷験
「スイッチを押せば100万円。代わりに、ある家族が破滅する」
【設定・あらすじ】
大学生たちのもとに、奇妙なアルバイトの話が舞い込む。
仕事内容は、スマートフォンに入った「スイッチ」のアプリを持って1か月過ごすだけ。
スイッチを押しても押さなくても、1か月後には100万円が手に入るという。
しかし、そのスイッチを押すと「幸せなある家族を破滅させることができる」。
何もせず大金を得られるはずなのに、人はなぜスイッチを押したくなるのか。
【こんな人におすすめ】
- 「自分ならスイッチを押すか?」と考えながら読みたい
- 人間の悪意や欲望をテーマにした作品が好き
- 倫理的な選択を迫られる物語に興味がある
- 読後に「自分だったらどうする?」と考えたい
👇『スイッチ 悪意の実験』について詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ⇩
『クローズドサスペンスヘブン』/五条紀夫
「殺された6人が、天国で自分たちを殺した犯人を探す」
【設定・あらすじ】
目を覚ました主人公がいたのは、美しいリゾートビーチと西洋館がある不思議な場所だった。
そこは「天国屋敷」と呼ばれ、現世で惨殺された6人が集められていた。
しかも6人は、自分が誰なのか、どのように殺されたのかという記憶を失っている。
「すでに死んでいる6人が、自分たちを殺した犯人を推理する」という異色の設定から、謎解きが始まる。
【こんな人におすすめ】
- 「死者が探偵になる」という発想に惹かれる
- 館を舞台にした謎解きが好き
- 普通の殺人ミステリーとは違う作品を探している
『名探偵のままでいて』/小西マサテル
「孫娘の持ち込む謎を解く名探偵は、認知症の祖父」
【設定・あらすじ】
小学校の校長を務めていた祖父は、レビー小体型認知症を患っている。
ところが、孫娘の楓が身の回りで起きた不可解な出来事について話すと、祖父は鋭い推理力を発揮する。
日常の中で起こるさまざまな謎を、「認知症を患った祖父が安楽椅子探偵として解き明かしていく」連作ミステリー。
【こんな人におすすめ】
- 日常のちょっとした謎を解くミステリーが好き
- 安楽椅子探偵ものを読みたい
- 探偵と助手の掛け合いを楽しみたい
- 謎解きと心温まる人間ドラマを楽しみたい
👇『名探偵のままでいて』シリーズは、以下の記事で詳しく深掘りしています⇩
『インシテミル』/米澤穂信
「時給11万2000円のアルバイト。仕事内容は、7日間の殺人実験」
【設定・あらすじ】
高額な報酬に惹かれて集まった12人の男女。
彼らが参加するのは、地下に造られた施設に7日間閉じ込められ、人文科学的な実験の被験者になるという奇妙なアルバイトだった。
しかし、参加者にはそれぞれ異なる凶器や役割が与えられていた。
「高額報酬を得るために、殺人が起こる閉鎖空間で過ごさなければならない」という状況に、参加者たちは追い込まれていく。
【こんな人におすすめ】
- デスゲームや殺人ゲームが好き
- 高額報酬を懸けた極限状態の心理戦を読みたい
- 参加者同士の疑心暗鬼を楽しみたい
- ルールを利用した本格的な謎解きが好き
👇『インシテミル』のようなデスゲームが好きな方は、以下の記事をどうぞ⇩
『どうせそろそろ死ぬんだし』/香坂鮪
「余命わずかな人間を、いったい誰が殺す必要があるのか?」
【設定・あらすじ】
探偵業を営む七隈は、助手の律とともに、余命宣告された人々が集まる交流会に招かれる。
山奥の別荘で参加者たちと過ごしていたところ、そのうちの一人が不審な死を遂げる。
しかし、被害者は余命わずか。
「どうせそろそろ死ぬ人間を、なぜわざわざ殺したのか」という矛盾が、事件の大きな謎となる。
【こんな人におすすめ】
- 「殺す理由」に重点を置いたミステリーが好き
- 一見すると意味のない殺人の謎に興味がある
- 館ものミステリーを楽しみたい
- 犯人だけでなく動機を推理したい
『殺人出産』/村田沙耶香
「10人産めば、1人殺してもいい。そんな世界が当たり前になった」
【設定・あらすじ】
今から100年後の日本では、殺人は悪ではなくなっていた。
人口を維持するために「殺人出産システム」が導入され、10人の子どもを産んだ者は、1人を殺すことが認められる世界になっている。
主人公の育子の姉も「産み人」となり、10人目の出産を迎えようとしていた。
【こんな人におすすめ】
- 常識や倫理が逆転した世界観に興味がある
- 社会のルールそのものを問い直す作品を読みたい
- 村田沙耶香作品ならではの強烈な設定を楽しみたい
- 読み終えたあとに価値観について考えさせられる作品が好き
『透明人間は密室に潜む』/阿津川辰海
「犯人は透明人間。姿が見えない殺人をどう暴く?」
【設定・あらすじ】
「透明人間病」という、身体が透明になってしまう奇病が存在する世界。
透明人間病を患う内藤彩子は、透明人間病の治療薬を開発している大学教授を殺害する。
犯人の姿を見ることができないという状況で、「透明人間という特殊な身体条件を利用した犯行の謎」に挑む。
表題作を含む4つの特殊設定ミステリーを収録した短編集。
【こんな人におすすめ】
- 特殊設定ミステリーを存分に楽しみたい
- SF的なアイデアを使った謎解きが好き
- 「透明人間」という題材をミステリーとして楽しみたい
- 短編でさまざまな設定の謎解きを読みたい
『楽園とは探偵の不在なり』/斜線堂有紀
「2人以上殺せば地獄行き。それでも連続殺人は起こる」
【設定・あらすじ】
この世界には天使が存在し、「2人以上の人間を殺した者は、天使によって地獄へ落とされる」というルールがある。
そんな世界で探偵業を営む青岸焦は、大富豪に招かれて孤島・常世島を訪れる。
ところが島では、本来なら成立するはずのない連続殺人が発生する。
「2人以上殺せない世界」で、どうやって連続殺人が起こるのか、という特殊なルールそのものが、大きな謎となる。
【こんな人におすすめ】
- 世界のルールそのものがトリックになるミステリーが好き
- SF・ファンタジーと本格ミステリーの融合を楽しみたい
- 「この条件でどうやって殺人を成立させるのか?」と考えるのが好き
- 特殊設定を利用した本格的な謎解きを読みたい
まとめ|ミステリーは「設定」で選ぶのもおすすめ
ミステリー小説を選ぶときは、作者やシリーズだけでなく、「どんな設定の物語なのか」から選んでみるのもおすすめです。
今回紹介した作品も、設定によって面白さは大きく異なります。
極限状態での選択を楽しむなら『楽園』、人類滅亡を目前にした世界で事件を追うなら『此の世の果ての殺人』。人間の倫理や悪意について考えたいなら『スイッチ 悪意の実験』や『殺人出産』が向いています。
一方、死者が犯人を探す『クローズドサスペンスヘブン』、認知症の祖父が探偵となる『名探偵のままでいて』、透明人間が登場する『透明人間は密室に潜む』など、「そんな設定をミステリーにするの?」と思わせる作品もあります。
「いつもとは違うミステリーを読みたい」というときは、まず設定に注目してみてください。
「この設定、面白そう」から次の一冊を選ぶと、これまで読んだことのないタイプのミステリーに出会えるかもしれません。
👇Audible読み放題で聴けるおすすめ小説はこちらでまとめています⇩